スイス旅行記 氷河特急でサンモリッツからツェルマットへ向かったはずが…?

2025/07/13

スイス 海外旅行

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「一生に一度は乗ってみたい」とずっと憧れていた、スイスの氷河特急。
アルプスの山々をゆったり横断しながら、サンモリッツからツェルマットまで約8時間の絶景列車の旅です。

今回はついに、その氷河特急に乗ることができました!
……と、言いたいところですが、実はちょっとしたハプニングがありまして。とはいえ、それも含めてとても印象深い旅になりました。

「世界一遅い特急」って本当?

氷河特急は、「世界で最も遅い特急列車」として知られています。
走行距離は約290km。平均時速はわずか35kmほど。列車はサンモリッツからツェルマットまで、まる一日かけてゆっくりとアルプスを横断します。

途中には291の橋、91のトンネル、標高2033mのオーバーアルプ峠など、変化に富んだルートが続き、まさに“動く展望台”のような列車です。

とはいえ、実際に乗ってみると――
事前に聞いていたほど「遅い」とは感じませんでした。列車が走り出すと意外にスムーズで、パノラマ窓から流れる景色に、思わず「けっこう速いかも?」と感じたほど。

では、なぜ8時間もかかるのか?
その理由は、単線のために、駅で反対方向の列車とすれ違う時間が多いからのようです。10分以上停車することもあり、「なるほど、ここで調整してるのか」と納得。

サンモリッツ出発、いざ絶景の旅へ!

出発はサンモリッツ駅の朝。パノラマ車両に乗り込むと、天井まで届く大きな窓が開放感たっぷり。今回はツアーでの予約だったため座席は選べず、出発時は進行方向とは逆向きの席でしたが、途中のクール駅で列車がスイッチバックするため、その後は進行方向に向かって進むようになりました。

食事付きのプランだったためか、広めの座席でCタイプのコンセントもついていて、とても快適。車内はとても清潔で落ち着いた雰囲気で、8時間の旅もこれなら余裕で楽しめそう、という予感がありました。

そして列車が動き出すと、そこからはもう夢のような風景の連続。

車窓に広がるアルプスの世界

カメラを構える手が止まりません。深い渓谷を渡る高架橋、エメラルドグリーンの湖、広大な草原と遠くに連なる山々。まるで絵本の中を走っているかのような風景に、何度も「すごい…」と声がもれてしまいました。

世界遺産のアルブラ線を走る

サンモリッツを出てすぐの区間は、世界遺産に登録されているアルブラ線。険しい山岳地帯を縫うように走り、多くのトンネルや橋を渡りながら標高を上げていきます。

名物ランドヴァッサー橋の大カーブ

見どころのひとつランドヴァッサー橋では、列車が大きなカーブを描きながら橋を渡ります。先頭車両の動きが車窓から見えるのがパノラマ窓の醍醐味。断崖の森と高架橋の組み合わせはまさに絶景です。

迫力のライン峡谷(スイスのグランドキャニオン)

列車はライン峡谷を通過。白い岩肌と深い谷が織りなす壮大な景色は、グランドキャニオンにも例えられるほどの迫力で、思わず息をのむ美しさです。

標高2033mのオーバーアルプ峠を越える

氷河特急の最高地点、オーバーアルプ峠。高山湖や雪を抱く山々が見渡せ、まるで空に近づいたかのような開放感を味わえます。ここが旅のハイライトのひとつです。

サービスも充実、快適な車内体験

ゆったり楽しむ車内ランチ

ランチは3コースで、ひと品ずつゆっくりと運ばれてきます。食事の合間も絶景が広がるので、ついお行儀が悪いとわかりつつ席を立ってしまうことも。別の場所で景色を眺めたり、撮影したりしながら、自由なスタイルで優雅な時間を過ごせました。温かい料理が席まで届けられるので、食堂車に行く手間もなく快適です。

充実したイヤホンガイドでスイス文化を満喫

イヤホンガイドは多言語対応で日本語も完備。走行ルートの見どころや歴史的背景を詳しく説明してくれるほか、スイスの伝統音楽も聴けるので、車窓の景色とともにスイス文化を五感で楽しめます。

停車中に外に出たくなるけれど…

途中の駅で10分以上停車する場面が何度かあり、「ちょっとホームに降りて写真でも…」と思ってしまうのですが、外には出ないほうが無難です。

なぜなら、スイスの列車は発車ベルもアナウンスもなく、静かにドアが閉まり、そのまま発車してしまうから。
実際、私自身「さすがにまだ出ないだろう」と油断していて、ドアが閉まりかけてあわてた場面がありました。置いていかれたら大変です…。

絶景は席からでも十分堪能できますし、安心・安全第一で。

…そして、まさかの展開へ

順調に旅を続けていたのですが、ツェルマットまで残り約1時間というところで、列車が途中の駅に停車しました。何があったのかと不安になる中、ツアーのガイドさんから説明が。

「この先の線路で土砂崩れが発生し、列車はこれ以上進めないため、ここで折り返し運転になります」

え……!?

まさかの引き返し。目的地のツェルマットにはたどり着けませんでした。

それでも、不思議とショックは少なめでした。というのも、それまでの道のりが本当に素晴らしくて、心が満たされていたからかもしれません。

旅はまだ、終わらない

ツェルマットには行けなかったけれど、それで旅が終わったわけではありません。
引き返した先には、予定していなかった景色や、思いがけない展開が待っていました。
そんな“寄り道の旅”も、ふり返ってみれば、とてもスイスらしい体験だったのかもしれません。

氷河特急のその後、どこへ向かったのか――続きは次回の記事で!

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こんにちは! 旅行や最近はじめた登山、日々のちょっとした楽しみやお気に入りのものなど、気ままに綴っていこうと思っています。 どこかで誰かの参考や、ちょっとした息抜きになれたら嬉しいです。 どうぞよろしくお願いします♪

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